「地面を掘れば、温泉が出てくる」といわれるほど、
多数の源泉が存在する渋温泉。源泉ごとに成分が異なるので、
鉄分が多く褐色を帯びたものから、白濁したもの、緑がかったもの、無色透明など、地中から湧き出たままの温泉が味わえます。
効能も、神経痛から美肌までさまざま。
石畳の小道を散策すれば、由緒ある寺社や、温泉まんじゅう、
射的など、昔懐かしい味や文化にも出会えます。
渋温泉の楽しみは、なんといっても数種類の名湯をたっぷり堪能する〝九湯めぐり〟。
九(苦)労を流し、厄除け、安産育児、不老長寿のご利益があると根強い人気があります。
目的や体調に合わせて、一番から九番まである外湯を巡りながら、手ぬぐいにスタンプを押し、
最後に高薬師さんに詣でて満願成就といわれています。
厄除け・安産・健康などの願いをこめて、9つの共同浴場をハシゴしてみては。
一番湯 初湯
僧行基が発見し、針鉢の鉢を洗ったという「鉢湯」が、やがて「初湯」になったと伝えられています。
胃腸によいところから胃腸の湯とも呼ばれています。
二番湯 笹の湯
昔は、笹やぶの中から湧き出したため、この名が付けられました。
湿疹など皮膚病のほか、病気の回復期に効果があり、「仕上げの湯」とも呼ばれています。
三番湯 綿の湯
切り傷や皮膚病などに効き、おできの「わたわた」が
とれることから、綿の湯と呼ばれています。
四番湯 竹の湯
地獄谷から管での引湯に成功した時に名づけられました。慢性痛風に効くといわれています。
やわらかい湯ざわりが特徴です。
五番湯 松の湯
名称の由来は「あなたを待つ」からきているそうです。神経痛や病気の回復期に効くとされ、湯の中で体を動かすと、痛みが軽くなるといわれています。
六番湯 目洗の湯
多くの人が目の病を癒したといわれています。
肌もきれいになる美人湯としても人気です。レンガ造りの浴室で、大湯の次に大きな湯船です。
七番湯 七操の湯
7つの病気に効くといわれ、また7回入れば全快するといういわれがあります。
鉄分が多く、無色で透明感があるお湯です。
八番湯 神明滝の湯
源泉は裏山の神明山から湧出しており、昔は滝のような打たせ湯で疲れを取ったと伝えられています。
婦人病に効き、子宝に恵まれるといわれています。
九番湯 渋大湯
淡い茶褐色のお湯で、万病に効くといわれています。
九湯めぐりの総仕上げとなるので結願のためにゆっくり入浴するのがおすすめ。
日帰り客用に有料開放されています。
湯船は2つに分かれており7、8人が一度に浸かれる大きさです。
【基本情報】
渋温泉に宿泊し、「1泊住民」になれば、九湯すべてが無料で利用できます。
足湯のふとまる
渋大湯の屋上にある、檜造りの足湯処。
大湯と同じ、鉄分で茶褐色に濁ったお湯です。
散策中の休憩におすすめです。
・足拭き用タオル完備
・入浴無料
・利用時間は午前8時~午後10時